「2人分の学費、年間300万近いんです。どうやって工面すればいいんでしょうか」

こんなご相談をいただくことがあります。

年の近い兄弟姉妹がいるご家庭では、上の子と下の子が同時に大学に在学する期間が生まれます。

私はこれを「カブリ期間」と呼んでいます。

結論から言うと、カブリ期間は「いつ来るか」を子供の年齢から逆算して可視化するだけで、備え方がまったく変わります。

お金の問題って、お子さんが大学生になると一気に現実味を帯びてくるんです。それまでは「なんとかなるだろう」と思えていたことが、急に数字として目の前に突きつけられる。

この記事では、カブリ期間の家計への影響と、今からできることを整理します。

1. カブリ期間とは何か。なぜ家計を直撃するのか

兄弟の年齢差によって、大学在学が重なる年数が変わります。

  • 年子(1歳差)なら、3年間のカブリ
  • 2歳差なら、2年間のカブリ
  • 3歳差なら、1年間のカブリ

私立文系で1人あたり年間約100万円、理系なら約135万円。2人が重なれば年間200〜300万円の学費が一気にのしかかります。

ここに生活費や交通費を加えると、カブリ期間は毎月の家計が赤字に転落するケースが少なくありません。

相談にいらっしゃる方の中には、「教育費の一覧表を作ってみたけど、カブリ期間の数字が怖すぎて直視できない」とおっしゃる方もいます。

怖いのは当然です。でも、見ないままだと備えようがありません。

2. 晩婚家庭ほど、カブリ期間が「収入ダウン」と重なる

カブリ期間の問題は、学費の金額だけではありません。

親の年齢との関係が、晩婚・晩産家庭ほど厳しくなります。

たとえば53歳のお父さんで、上の子が18歳、下の子が16歳というケース。

上の子が大学に入る年に、お父さんは53歳。下の子も大学に入れば55歳。

ここで何が起きるか。

55歳前後は、多くの会社で役職定年や給与カーブの転換点を迎えるタイミングです。つまり、学費が最も重なる時期に、収入が下がり始める可能性がある。

入口の小さな差は、今は見えません。でも10年、20年で見ると数百万円の差になっていることがあります。特別なことをしたのではなく、始めるタイミングが早かっただけで、です。

3. 「いつ来るか」を書き出すだけで、景色が変わる

カブリ期間に備えるために、まずやってほしいことが1つだけあります。

紙を1枚用意して、こう書いてみてください。

  • 上の子が大学に入る年 → 自分は何歳か
  • 下の子が大学に入る年 → 自分は何歳か
  • 2人が同時に在学する年 → 自分は何歳か

これだけです。

「カブリ期間がいつ来るか」と「その時の自分の年齢」が見えるだけで、漠然とした不安が「あと何年で、いくら必要か」に変わります。

収入も税金もコントロールできません。自分でコントロールできる唯一のものは、支出です。支出のコントロールとは「どれを、どれぐらい、どうする」の3つを決めること。

見えていないのに削る先を探すのは、暗闇の手探りと同じです。

4. お金の「置き場所」を分けておく

カブリ期間までに時間があるなら、今のうちにお金の置き場所を分けておくことをおすすめします。

  • すぐ使うかもしれないお金は、普通預金のまま
  • 数年以内に使う教育費は、減らさない場所に
  • 当分使わない老後資金だけ、余りでコツコツ

「NISAさえやれば」と教育費まで投資に回すと、いざ学費が必要な時に値下がりで取り崩すことになりかねません。

増やすことより、順番です。

お金には義務教育がなかった世代です。知らなくて当然。でも、気づいた今が一番早いタイミングです。

5. 奨学金は「借りる」と「もらう」を分けて考える

カブリ期間の学費をすべて貯蓄で賄うのが難しい場合、奨学金という選択肢が出てきます。

ここで大事なのは、奨学金には「借りるもの」と「もらえるもの」があるということ。

  • 日本学生支援機構の給付型奨学金(返済不要。家計基準あり)
  • 大学独自の授業料減免制度
  • 自治体独自の奨学金(返済不要型もある)

「奨学金=子供に借金させる」と思い込んでいる方も多いのですが、返さなくていい支援制度も存在します。

使える制度を棚卸しするだけでも、選択肢は広がります。

Q. カブリ期間の学費、みんなどうやって払っているの?

相談現場で見ていると、主に3つのパターンがあります。

1つ目は、事前にカブリ期間を把握して、数年前から教育費専用の口座に積み立てていたケース。

2つ目は、奨学金と親の貯蓄を組み合わせるケース。

3つ目は、教育ローンを活用するケース。日本政策金融公庫の教育ローンは、年間上限350万円まで借りることができます。

どれが正解ということではなく、自分の家庭の状況に合った組み合わせを、カブリ期間が来る前に整理しておくことが大事です。

Q. まだ子供が小さいのですが、今から考える必要はありますか?

むしろ、小さいうちが一番チャンスです。

カブリ期間まで10年以上あるなら、月々の積み立ては少額で済みます。5年しかなければ、同じ金額を貯めるのに月々の負担は倍になります。

時間があるほど、選択肢は多い。

今すぐ大きな金額を動かす必要はありません。まず「いつ来るか」だけ確認してみてください。

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カブリ期間の問題は、知っているかどうか、気づいているかどうかの差が大きい問題です。

「まだ先のことだから」と思っていたら、気づいた時にはもう間に合わない。そういうご相談をたくさん見てきました。

でも、今この記事を読んでいるあなたは、もう気づいています。

紙1枚に、子供の年齢と自分の年齢を並べて書いてみてください。それだけで、見える景色が変わります。

応援しています。