「ねんきん定期便、月7万円って書いてあった。これだけ?」
この相談が、40代の扶養内パートの方からとても多いです。
誕生月に届くハガキを開いて、数字を見て、静かに怖くなる。旦那さんの年金と合わせてもこれで暮らせるのか。教育費はまだこれからなのに、老後の自分たちはどうなるのか。
怖くなって、そのままハガキを引き出しにしまう。
こんにちは。Family Moneyの青木計太です。 晩産・晩婚夫婦のお金問題を専門にしているFPとして、「年金が少なすぎて怖い」という相談をたくさんお受けしています。
1. 50歳未満の定期便は「今までの分だけ」しか載っていない
まず知ってほしいのは、50歳未満の方に届くねんきん定期便の金額は、これまでに納めた保険料に対応する額だけが表示されているということです。
45歳の方なら、まだ加入期間は約半分。残りの期間も働き続ければ、表示額はそこから増えていきます。
つまり「月7万円」は最終的にもらえる金額ではありません。
ただし、安心していいかといえば話は別です。扶養内パートのまま65歳まで過ごした場合、厚生年金の上乗せがないため、自分の年金は基礎年金(満額で月約6.8万円)のみ。旦那さんの年金と合算しても、教育費の山を越えた後に「老後の生活費が足りない」という状態になりやすい構造があります。
2. 怖いのは「数字」ではなく「見えていないこと」
相談現場で見ていると、年金額そのものより「自分の家の全体像が見えていない」ことが不安の正体であることがほとんどです。
教育費がいつピークを迎えるか。その時、旦那さんは何歳か。退職金はいくらか確認したことがあるか。
ここが見えていないまま「年金が少ない」だけを見ると、ただ怖いだけで止まります。
知識が足りないから不安なのではなくて、自分の家の数字を一度も出したことがないから不安なんです。
3. 「いくら足りないか」が見えれば、やることは絞れる
全体像が見えると、やるべきことは意外とシンプルになります。
教育費のピーク(子供が大学生の4年間)に必要な金額と、その時期の収入を並べる。差があれば、その分をどこから持ってくるか。学資保険か、NISAか、パート収入を増やすか。
大事なのは「何から始めるか」の優先順位です。
入口の小さな差は、今は見えません。でも10年、20年で見ると数百万円の差になっていることがある。特別なことをしたのではなく、「始めるタイミングが早かっただけ」でそこまで開きます。
Q. 扶養を外れて働いた方がいい?
「損益分岐点」や「壁」の計算は制度の話。もちろん大事ですが、それだけでは判断できません。
先に決めるのは「何のために、いくら必要か」です。
教育費のピークまでにあといくら必要か。老後に月いくら足りないか。その数字が見えれば、「壁を超えるべきか」は自然に決まります。
制度の損得計算の前に、自分の家の数字を出す。これが順番です。
Q. NISAを始めれば間に合う?
NISAは「余ったお金を育てる」ための仕組みであって、教育費のように数年以内に必要なお金の置き場所ではありません。
使う時期が近いお金は、減らさない場所に。ずっと先のお金だけ、育てる方向に。
お金の使い方という足元の土台を直さないまま、運用だけ足しても積み上がらない。「NISAさえやれば逆転できるかも」は、順番が逆です。
まとめ。まず1枚の紙に書いてみてください
ねんきん定期便の数字を見て不安になったら、その日のうちに1つだけやってみてください。
紙に「子供の年齢」と「自分の年齢」を並べて書く。教育費のピークは何歳の時か。旦那さんの定年は何歳か。
それだけで、「漠然とした不安」が「具体的な課題」に変わります。
削るより、まず気づくだけ。それだけで、見える景色は変わります。
今日が一番早い。過去には戻れないので。