「旦那さんが定年のとき、下の子がまだ高校生なんです」

こんなご相談をいただくことがあります。

年の差のあるご夫婦に多いのが、旦那さんの定年と子どもの教育費ピークが重なるという問題です。

結論から言うと、「何年後に何が来るか」を親子の年齢で年表にするだけで、見える景色がまったく変わります。

旦那さんが40代後半で、お子さんが小学生。今は家計が回っていても、10年後には教育費のピークと旦那さんの収入ダウンが同時にやってきます。

この記事では、年の差夫婦の教育費タイミングがなぜ厳しくなるのか、そして今からできることを整理します。

1. 年の差夫婦の「タイムラインのズレ」とは

旦那さんが48歳、妻が38歳で、子どもが小学3年生と小学1年生。よくあるケースです。

上の子が大学に入る18歳のとき、旦那さんは58歳。下の子が大学に入るとき、旦那さんは60歳です。

ここで3つのことが重なります。

  • 教育費のピーク(大学の学費、年間100万円以上が2人分)
  • 旦那さんの収入ダウン(55歳前後の役職定年、60歳の定年再雇用)
  • 老後資金の準備期間がほとんど残っていない

同い年夫婦であれば、教育費が終わってから老後の準備に切り替える時間があります。でも年の差夫婦は、旦那さんの年齢基準で考えると、その「貯め直し期間」がほぼゼロになる。

これが、年の差夫婦の家計が構造的に厳しくなる理由です。

2. 「私がもっと稼がなきゃ」の前に、やることがある

年の差夫婦の相談でよく聞くのが、妻側の焦りです。

「旦那さんが先に定年になるから、私がもっと稼がないと」 「扶養を外れたほうがいいのかな」

気持ちはわかります。でも、収入を増やす前にやることがあります。

収入も税金もコントロールできません。自分でコントロールできる唯一のものは、支出です。

支出のコントロールとは「どれを、どれぐらい、どうする」の3つを決めること。まず家計が一覧で見えていることが大前提です。

見えていないのに「もっと稼がなきゃ」と焦っても、稼いだ分がどこに消えるかわからないまま走ることになります。

3. 年表を1枚書くだけで、不安の正体が見える

やってほしいことは1つだけです。

紙を1枚用意して、こう書いてみてください。

  • 今年、旦那さんは何歳、妻は何歳、子どもは何歳
  • 上の子が中学に入る年、旦那さんは何歳
  • 上の子が大学に入る年、旦那さんは何歳
  • 下の子が大学に入る年、旦那さんは何歳
  • 旦那さんが60歳になる年、子どもたちは何歳

これだけです。

「あと10年で教育費のピークが来る」「旦那さんの収入が下がり始めるのはあと7年後」。

漠然とした「なんとなく不安」が、「あと何年で、何が起きるか」に変わります。数字が見えるだけで、怖さの正体がわかります。

4. 年の差夫婦こそ「置き場所」の仕分けが効く

年の差夫婦は、教育費と老後資金が同時に必要になるからこそ、お金の置き場所を早めに分けておくことが大事です。

  • 5年以内に使う教育費は、減らさない場所に(普通預金・定期預金)
  • 旦那さんの退職金の使い道を、ざっくりでいいから夫婦で話しておく
  • 当分使わないお金だけ、余りでコツコツ積み立てる

退職金があるから大丈夫と思っている方も多いのですが、退職金の金額を確認したことがないご家庭は、相談現場では珍しくありません。

「退職金で補えるかどうか」ではなく、「いくら出るかを知っているかどうか」が最初の分かれ道です。

5. 妻の働き方は「いつまで」で考える

年の差夫婦の場合、旦那さんが先に定年を迎えた後も、妻が働き続ける期間が長くなります。

ここで大事なのは、「いくら稼ぐか」よりも「いつまで働くか」を先に考えること。

  • 旦那さんが定年になるとき、妻は何歳か
  • その時点で、子どもの教育費はあと何年残っているか
  • 妻が65歳まで働いた場合、厚生年金はどう変わるか

扶養内パートのままでいくか、扶養を外れるか。この判断は「手取りが減るかどうか」だけで決めると見誤ります。

10年、20年の単位で見ると、厚生年金に入ることで将来の年金が月1〜2万円変わることもあります。

入口の小さな差が、長い時間をかけて大きな差になる。焦って大きく動く必要はありません。でも、「何歳まで働く?」を旦那さんと1回だけ話す。そこが出発点です。

Q. 旦那さんに年齢差の問題をどう伝えればいいですか?

「お金の話をすると、旦那さんの機嫌が悪くなる」というご相談は多いです。

おすすめは、年表を見せること。言葉で説明するより、1枚の紙に「あなたが60歳のとき、下の子は高校2年生」と書いてあるほうが、事実として伝わります。

責めるのではなく、一緒に見る。それだけで会話の質が変わります。

Q. まだ子どもが小学生ですが、今から考える必要はありますか?

むしろ、今が一番チャンスです。

教育費のピークまで10年あれば、月2万円の積み立てで240万円になります。5年しかなければ同じ金額を貯めるのに月4万円必要です。

時間があるほど、月々の負担は軽くなります。

お金には義務教育がなかった世代です。知らなくて当然。でも、気づいた今が一番早いタイミングです。

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年の差夫婦の教育費問題は、「知っているかどうか」で備え方がまったく変わる問題です。

年表を1枚書いて、「何年後に何が来るか」を旦那さんと一緒に見てみてください。

それだけで、「なんとなく不安」が「あと何年で準備すればいいか」に変わります。

応援しています。